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東京地方裁判所 平成9年(モ)554号 決定 1997年5月30日

《住所略》

申立人(本案事件被告)

諸橋晋六

《住所略》

槙原稔

《住所略》

上村哲夫

《住所略》

岡野満武

《住所略》

小林威

右5名代理人弁護士

小杉丈夫

西山宏

飯田藤雄

《住所略》

被申立人(本案事件原告)

鈴木あきら こと 鈴木斐

主文

被申立人は、申立人らのために、平成8年(ワ)第23393号損害賠償請求事件の訴えの提起に係る共同の担保として、この決定の確定した日から14日以内に、3000万円を供託せよ。

理由

第一  申立ての趣旨

被申立人は、申立人らに対し、平成8年(ワ)23393号損害賠償請求事件(以下「本件本案事件」という。)の訴えの提起について相当の担保を提供せよ。

第二  事案の概要

一  本件は、申立人らが被申立人の提起に係る商法267条2項の訴えについて、同条5項の規定により被申立人に対して相当の担保を提供するように求めた事件である。

本件本案事件の請求の趣旨は、「申立人らは、三菱商事株式会社(以下「三菱商事」という。)に対して、連帯して50億円及びこれに対する平成8年6月27日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。」というものであり、その請求の原因は、別紙のとおりであるが、その骨子は、次のとおりである。

1  申立人らは、三菱商事の代表取締役又は取締役であり、被申立人は、同社の株主である。

2  三菱商事は、平成7年4月1日から平成8年3月31日までの平成7年度期決算において、債務超過に陥った日本レジャーカードシステム株式会社(以下「日本LEC」という。)の損失金に対する三菱商事の損失支援分負担金の一部として50億円を貸倒引当金に計上した。

3  日本LECは、東日本地区のぱちんこ屋でプリペイドカードを専売する会社であり、しかも、三菱商事の連結決算の対象となる関係会社でもなければ、傘下企業でもないから、三菱商事においては、日本LECの損失金を穴埋めし、ひいてはその反社会的行為を支援するなどという法的経営責任は存在しない。

4  右50億円の計上は、税法上認められるものでなく、会計上も当期利益に損害を与えるものであり、しかも、損金として償却されて社外に流出することが予定されるものであるから、三菱商事に対して損害を与えるものである。

5  よって、申立人らは、三菱商事の代表取締役又は取締役として、前記貸倒引当金を計上し、もって三菱商事に同額の損害を与えたものであるが、その行為は、商法254条3項、254条ノ3に違反し、486条、487条に該当する。

二  申立人らの主張の要旨

1  三菱商事は、平成7年度決算において、日本LECの損失負担に備えるため営業外費用として50億円を計上した。

三菱商事は、日本LECの発行済み株式の18.85パーセントを保有する筆頭株主で、同社の設立より参画し、同社に過去3代にわたり社長を派遣しているものであるが、あわせて同社の代理店に対してカードリーダー機械を販売する継続的取引を行っている。一方、日本LECは、設立当初予期しなかった多額のプリペイドカードの変造による被害により、平成7年度決算において当期未処理損失として264億円を計上することを余儀なくされたが、その巨額さや変造損失の根絶の困難さから、株主による支援なしに短期間に財政状況を回復することが困難な状況におかれていた。そして、同社のプリペイドカードの普及状態を考慮すれば、その経営が破綻に至った場合には、遊戯業界に大きな混乱が起きるおそれがあった。

右の事情から、三菱商事は、自らの社会的な信用を維持し、かつ、取引上の損害の発生を回避するために、日本LECの支援を行わざるをえないものと判断し、右の当期未処理損失264億円につき、三菱商事の出資比率である18.85パーセント見合いの金額50億円を費用に計上し、将来の負担に備えた。

2  右の決算処理は、会計監査人との協議をふまえて、公正な会計慣行に従ってされたものであり、企業会計原則の保守主義の原則に合致するものである。

3  本件決算における費用の計上は、会計上の処理にすぎないものであって、金銭の社外流出はないから、三菱商事には何ら損害は生じていない。

4  被申立人は、その主張に事実の上でも法律的にも充分な根拠がないことを認識しつつ、あえて訴えを提起したものであって、その提訴には悪意がある。

5  以上のとおり、申立人らは、被申立人の本件本案事件の提起により、弁護士費用、調査費等多額の出費を余儀なくされ、また多大の精神的苦痛を受け、このことによる損害は、1人当たり1億円を下らないから、被申立人に対し、申立人ら1名につき1億円の担保提供が命じられるべきである。

三  被申立人の主張の要旨

1  本件本案事件は、事実に基づき、三菱商事の経営の改善とぱちんこ業によるギャンブル公害の排除を願いつつ、会社の取締役として守るべき善管注意義務又は忠実義務の違背及び特別背任罪等につきその責任を追及するものであるから、正当な株主代表訴訟であり、悪意に出たものではない。

2  被申立人は、本人として訴訟を追行しているが、そのことをもって悪意の提訴とみることによって被申立人の正当な裁判権の行使を制限すべきではない。

3  よって、申立人らの申立ては、理由がない。

第三  当裁判所の判断

株主代表訴訟の制度及びその訴えの提起に係る担保提供の制度の趣旨に照らすと、当該株主代表訴訟においてその請求原因自体又はその重要な部分が失当であり、かつ、その主張が大幅に補充され又は変更されない限り当該請求が認容される可能性がない場合等、株主の主張自体に充分な法律的根拠がなく、又はその主張に事実上の裏付けがないことが明らかである場合において、当該株主において右事実を認識しつつ、あえて訴えを提起したものであるときは、当該訴えの提起は悪意に出たものというべきである。

一件記録によると、被申立人は、本件本案事件において、その請求の原因として、申立人らが三菱商事において、日本LECの損失につき、50億円を貸倒引当金に計上し、もって同社に損害を与えたと主張していることが認められる。右の主張は、それ自体からは右の会計上の処理を違法とする事情は窺えず、また、三菱商事において日本LECの損失を負担すべき債務を新たに負担し、あるいはこれに見合う三菱商事の財産を処分したことをいうものではなく、更に、右会計処理により同社の財産が減少したことをいうものでもないから、被申立人の右主張をもって未だ申立人らの行為を違法というに至らず、しかも三菱商事に損害が発生しているものということもできない。したがって、被申立人の本案訴訟の請求の原因は、主張自体失当であって、これを補充し、又は変更してもその請求を維持することは困難であるといわざるをえない。そして、一件記録によると、被申立人は、申立人らに対する提訴請求に関して三菱商事の監査役から受け取った通知により、その主張に事実及び法律の面から理由がないことを示された上、右の請求原因が主張自体失当である旨の指摘を受けていることが認められるから、被申立人は、その主張に法律的根拠又は事実上の裏付けがない事情のあることを認識しつつ、あえて本件本案事件に係る訴えを提起したものということができる。

よって、被申立人の本件本案事件の提起は、悪意に出たものということができ、一件記録に顕れた諸般の事情にかんがみ、主文記載のとおり、担保の提供を命じる。

(裁判長裁判官 門口正人 裁判官 池田光宏 裁判官 鈴木芳胤)

別紙

請求の原因

第一、 (提訴株主の資格)

原告は、本事件を提訴することの権利を有する三菱商事株式会社(以下、当会社ともいう)の正当な株主である。

第二、 (被告5名の現在の当会社の役職)

諸橋晋六は代表取締役会長、ならびに槙原稔は代表取締役社長、また上村哲夫と岡野満武は代表取締役副社長、小林威は取締役専務である。以下の5名が名実共に当会社の最高首脳経営責任者である。

第三、 (経営責任下の不当・違法行為の事実)

(一) 被告らは、その経営責任下において、配下の取締役らと共謀の上、平成7年4月1日から平成8年3月31日までの間、即ち当会社の平成7年度期決算中において、債務超過に陥った関係会社と称する「日本レジャーカードシステム株式会社」(以下、日本LECという)の損失金に対する当会社の同損失支援分負担金の一部として、50億円を貸倒引当金に損金として計上し、当会社の当期利益に同額の損害を与えた。この決算書に係わる当会社の株主総会開催日は平成8年6月27日である。

(二) 日本LECは、三菱商事系列の関係会社として位置づけられているが、実体としては、<1>当会社の所有する日本LECの持株比率は、子会社持分を併せても全体の20.8%に過ぎない。<2>日本LECの社長人事は、設立当初から三菱商事出身者が3代続いたが、現在はNTT出身者が社長に就任をしている。<3>その他主要取締役ポストには、設立当初からNTT出身者、および警察OBならびに他の関係省庁OBらが交互に「天下り役員」としてその多数を占めている。

つまり、日本LECは、法的に三菱商事の連結決算対象となる関係会社でもなければ、傘下企業でもないことから、当会社が日本LECの損失金を「穴埋め」するなどという法的経営責任は全く存在しない会社関係に相当する。

なお、同損失金の「穴埋め」に関しては、日本LECの株主全体が、持株比率に応じて公正平等に分担したものでもなければまた、取締役の出身母体会社、および関係省庁等が、役職階位に応じて公正平等に分担したものではなく、同損失金の「穴埋め」分担はあくまでも三菱商事とNTTの2社のみがその責任を表明しているに過ぎない。

(三) 被告らは、当会社の法的経営責任が全く存在しない日本LECの損失金穴埋めの支援金の一部として50億円を当会社の貸倒引当金に損金として計上し、当会社の財産上の利益に同額の損害を与えた。右の事実は、その事実関係が証明される限りにおいて、被告らの行為は、商法第254条の2項(善管注意義務)、同法第254条の3(忠実義務)、および同法第486条、487条(特別背任罪等)に著しく違反することは、一般常識からも明白である。

(四) 以上の原告の主張に対して、原告が提訴を請求した当会社監査役らの反論主張は、「同貸倒引当金の計上は、将来の損失負担に備えた会計上の費用の予防策的な見積計上であり、未だ現実的金銭の流出はない。従って、会社に損害が発生しているとの貴請求趣旨は趣旨自体が失当であり、ご指摘の役員の責任は認められない」として原告の提訴請求を拒否した。

しかし、同監査役らの反論主張、および見解には、税法上ならびに会計上故意なる歪曲や詭弁および事実誤認がある。

なぜならば、<1>法的の経営責任のない他社の損失金の一部を「穴埋め」支援する、として当会社の貸倒引当金に損金を計上することは税法上も認められていない。<2>会計上においても事実上当会社の当期利益に損害を与えているし、また現在、金銭の社外流出はなくともいずれ、まもなく損金として償却されて社外流出するものである。

従って、同引当金の取消または戻入益の計上がない限り、被告らが共謀して決算上当会社の財産上の利益に不当かつ違法な損害を与えたという“原告主張”には法的にきわめて強い正合性があると確信する故に本件提訴におよんだ次第である。

第四、 (警察庁当局は母体として前代未聞の『民間PC事業』へ投資!。パチンコ業界の『健全化』を旗印に大手商社を巻き添えした強引な「権力悪徳商法の策略」!。『甘玉』として「賭博CR機械」の公認・奨励!)

(一) 日本LECは、10年近く前、東日本地区のパチンコ店でプリペイドカード(以下、PC事業ともいう)を専売する会社として設立された。この母体となったのは、事実上、警察庁当局とNTT、三菱商事の三者であり、株主、役員構成も同三者が互角対等となって、ほぼ占有している。警察当局が事実上、民間事業に出資するというのは前代未聞のことであるから、「PC事業」は同当局において将来余程超有望な企業として野心満々見込んだのであろう。

「PC事業」の発端は、約10余年前、当時、裏舞台で「大物黒幕」として暗躍していた悪名高い人物が発案し、これにまず目をつけたのが、正確には、警察庁生活安全局とNTT。その後、大商社らを巻き添えにしたといわれている。

(二) 「PC事業」とその会社設立の目的は、当時、表向き建前として警察主導でパチンコ業界(以下、パ業界ともいう)の脱税防止や暴力団らの排除を図る、即ち、同業界の健全化、明朗化を旗印として、当局が強引に介入促進した結果、設立されたものである。しかし、この裏にある当局の「本音」は、「一部警察官僚らの天下り先開拓」の一環として、また警察権力による「PC事業参入でボロ儲けの策略」をも兼ねたものであったといわれている。その証拠に当時、警察庁の「PC事業導入キャンペーン」は凄まじく、全国の都道府県警察レベルにまで徹底させ、関係警察官全員を「PC事業のセールスマン」と化せるなど、全国全店舗のPC化を目標とした強引な「権力商法」を展開したといわれている。

(三) しかし、いかに天下の警察庁官僚の命令下とはいえども、スタート当初は、パチンコ店舗の設備投資負担が莫大であることから、パ業界に猛反対運動が盛上がり、「PC事業」は伸び悩む。ところが、いかに同業界が猛烈な反対運動を展開し抵抗しようと、パチンコ商法の「弱み」や、許認可権を握る警察権力には抗えず、パ業界は当局方針にやむを得ず服従することになる。

この過程で当局は、「PC事業の定着発展」や「反対勢力の封じ込め策」の『アメ玉の』1つとして、顧客が好む射倖性のきわめて強い「トバク機」であるCR機の設置を許可し、むしろ奨励したという。

(四) CR機とは、PC専用で、勝ち負けが時には20万円以上に及ぶこともあるというから、完全に娯楽の許容範囲をはるかに超えた、立派な「鉄火場のトバク機」である。

つまり、警察庁当局の方針は、パ業界に対し、PC事業の設備投資負担が重くて反対というならば客が好む「トバクCR機」の設置を公認するから、それで儲けよ、そしてPC事業に協力せよ、その結果の「ギャンブル公害」はどうでもよい、というきわめて無責任な権力者特有の驕りによる「我田引水」的悪徳策略である。

第五、(30兆円産業への『起爆剤』はPC専用のトバク機!。違法なパチンコバクチ過激化で生活破綻者激増、主婦売春、凶悪激増拡大。パチンコは各国で厳禁!)

(一) 今日、我国のパチンコ産業関連全体の年間売上高は、ここわずか数年で、15兆円から30兆円以上と、短期間のうちに爆発的に成長拡大した。この起爆剤となったのが、警察庁、NTT、三菱商事、住友商事らが母体である「PC事業」の定着発展の手段として認可、奨励された、PC専用トバク機の「CR機」であることは周知の事実である。

刑法上のトバク法違反とは、「金品を儲けて勝負を争う」行為や商法を言うならば、顧客の100%が金を儲けて勝負を争うパチンコは、「顧客も事業者も」ともに警察が徹底して厳しく取り締まるべき「バクチ」ではないか!

パチンコは多くの国家において「トバク」として厳しく禁止されている。特に韓国・台湾においては、パチンコは最高無期懲役として厳しく禁止されている。

(二) 世界に冠たる法治国家の我国においては、警察当局の管理支配下、介入下で過激なパチンコバクチが公認されている。この結果、特に「PC事業」が認可導入されてからは、全国的に「パチンコ狂」や果ては「パチンコ依存症」なるものまでが激増した。これは当然、パチンコ借金苦による自殺、破産夜逃げ、離婚等、自滅や一家離散等の激増拡大、さらには主婦売春から凶悪犯罪に至るまで、ありとあらゆる過酷、残酷、残忍な事件や事故の激増拡大ということを示すものである。

これらの事件事故の被・加害者らは、むしろ同ギャンブル公害の犠牲者ともいえるのではないか。

パチンコ監督官庁元は、驚くなかれ、国民生活の安定を図るべき警察庁生活安定局である。だが、同局が国民生活を破滅に陥れているパチンコギャンブル公害、特にそれを激増拡大させた「PC事業の主力母体」というから官庁の立派な名称の裏にある『官僚主義』の建前と本音には、実に恐ろしい卑劣な偽りや背信行為が潜んでいることを示す『象徴的名称』の一例ではないか。

第六、 (警察当局母体の「PC事業」が皮肉にも「犯罪者集団」らへ巨億の資金を垂れ流す。今後も『不正カード防止』は不可能。「天罰」で日本LEC実質経営破綻!)

(一) 社会諸悪の根源化した、パチンコギャンブル公害を特に激化拡大させた「PC事業」は、「犯罪者集団」らへ<巨億>の資金を垂れ流す結果にもなっている。前記のとおり、「PC事業」は、当初、パ業界の猛反対運動により業績は伸び悩んだが、その後、母体である警察当局の強引な「権力介入」があって、業績は「ボロ儲けの権力独占の悪徳商法」といわれるほどに急成長した。しかし、この「権力悪徳商法」に対して、まもなく<天罰>が当たる。いわゆる「PC事業」は欠陥から、変造・偽造カードが不良外人や暴力団、その他の悪手によって大量に密造・密売されたのである。しかもこの不正カードの悪用は、パチンコ店側の利益にもなることから、「集中豪雨」的に激増し、PC会社の損害金は巨億に達した。

(二) 日本LECの同損害金は昨年だけでも、公表550億円余だが、実損額は1000億円以上とも推測されている。その後、対策強化で鎮静化したとはいえ、現在においても、巨億の損害が発生している。先日の新聞報道によると日本LECの96年9月中間期決算は、『変造被害損』が180億円発生したため経常収支は200億円の赤字計上と発表された。このため日本LECの債務超過は更に拡大したので三菱商事は同社へ計427億円の債務保証を行ったともいう。こうした日本LECの損害損、赤字決算、債務超過等は今後更に拡大するものと思われる。なぜなら今後においても『PC事業』の欠陥である「不正カード悪用防止策」は、既存のNTTシステムでは技術改善がなされたとしても構造的に不可能といわれている。また最近、他社においてセキュリティー度の高い優れたPCシステムが開発された。だが、これに転換するとなると、既存のNTTPCシステム廃棄損が数千億円にも達するおそれがあるので、「転換方針」は警察当局にはないというから、まだまだ欠陥PC事業は今後も<巨億のヤミ資金>を垂れ流し続けることになる。

(三) 世間では時に<皮肉な現象>が起こる。「PC事業」導入促進過程において警察当局はパチンコ店からの「暴力団追放」を掲げ、その<取締り営業上>各地で無知な町民までそそのかし動員して連日のように「暴力団追放」の官制デモ隊を数多く出動させた。その結果、同取り締まりは奏功し、「縄張り」は奪い取ったものの皮肉にも「犯罪者集団」らをかえって肥え育てさせる「PC事業」となってしまった。

つまり、官僚主義特有の増長した「権力悪徳商法」の暴走に巨億の『天罰』が当たる。しかもその巨億の資金の多くが「犯罪者集団」らの手に垂れ流す。この損害は同責任下の当局官庁は被ることなく結局は当会社の三菱商事ら民間のみが被る。これをどうして株主が許しておかなければならないのであろうか!

第七、 (パチンコは当局の不正が支配する『鉄火場』。法治国家に逆行する行政。一部警察官僚が警察全体の威信を汚す!)

(一) 国松警察庁長官がいかに正義正論を持って弁明しようとも、パチンコは「警察の正義が支配する<娯楽>ではなく、「警察の不正が支配する<鉄火場>」である。この認識は、いまや一般の警察官を含めた一般人全体に共通して定着している常識である。それでも同長官が「パチンコは娯楽」と主張するならば、それこそ一般社会の世論や常識を著しく愚弄した、旧態依然とした実に恐ろしい権力者特有の増長した独善的おごりによる、愚かな「詭弁・歪曲」にほかならない。

また最近、当局はパチンコバクチ過熱化等に対する批判、非難をかわす意図を持って、「社会的不適合機70万台撤去」という勇ましい方針を、パ業界の「自主規制」として押し付けた。当局公認のトバク機を「自主規制」で撤去することはおかしな話だ。

だが実際、当局指導の撤去対象はトバク性の弱い「現金機」が主体で、トバク性の極めて強いPC専用の「CR機」は若干の撤去でごまかしているという。これには当局の<PC事業全国全店目標策>の強行があるからだ。警察当局も「私欲」になると「犯罪者顔負け」に暴走するものである。

(二) 最近、週刊誌の報道等において、警察はパチンコ業界の「寄生虫とか胴元、また天下り派遣の百貨店」などと酷評されている。一般世論もこれに大体準じた見方をしているから、同報道はあながち的外れでもないし、また事実無根でもない。こうなると警察全体の名誉、信用、信頼に関わる重大問題ではないか!。

原告も本件を通じて、当局の姿勢をむしろ被告らよりも厳しく批判し、非難している。その理由は、強権をもってパチンコ界に「君臨し、統治」しているのは紛れもなく警察当局であるから、パチンコ問題は一個人の企業の私的問題ではなく、行政上の「権力不正行使」の問題であることがはっきりしているからである。こうした警察当局の「権力の不正行使」によるパチンコ業界への「介入、主導、支配」は法的にも道義的にも根本的に間違っている。法治国家に逆行している。

だが、「パチンコ悪政」の根源を探れば、けっして警察全体のものではなく、あくまでも一部警察官僚らの「私欲の策略」に突き当たる。

我が国は自他ともに許す優れた治安の良さを誇れるのは、一般警察官の90%以上が常に勤勉で、社会正義に燃えているからこそであろう。つまり、パチンコ行政において「一部警察官僚らの私欲の暴走」が、警察全体の名誉、信用、信頼を著しく傷つけている。三菱商事においても表面上は『パチンコ悪政』の共犯者であるが、実態は一部警察官僚らの「私欲の暴走」に巻き込まれた被害者的立場の一面も一部にかいま見られるということである。

第八、 (権力の『不正暴走・犯罪』等はごく一部の者によるものであっても国家全体の被害は巨大。三菱は『PC事業撤退』が本音!)

(一) 「権力の不正行使および暴走また権力犯罪」の特徴とは、一部の者によるものであっても社会全体に与える悪影響や損害が極めて大きく、時に国家の屋台骨を大きく揺さぶるほどに重大な社会問題に発展するおそれが極めて強い場合が大いにあることは多くの歴史がはっきりと証明している。

最近における薬害エイズ事件もその根源には、ごく一部の私欲の「産・官・学」の癒着関係があった。住専、不良債権、金融不安等の問題も、その根底には、一部大蔵官僚らの無知無能による増長した官僚特有の独善独裁が金融政策において大きな過ちを犯した。「急激なバブル潰し、不動産潰し」も同者の大きな政策ミスである。かつての戦争の多くも一部の軍部官僚の<暴走>によって引き起こされたものが多い。こうした例は枚挙にいとまがないほど多くある。「パチンコ悪政」もいずれ必ず警察の歴史を汚し、また三菱の歴史を汚すであろう。また警察によるパチンコギャンブル公害も必ず今世紀最大の公害として永遠に歴史に深く刻み込まれるであろう。

(二) 被告らを含む三菱商事は、最近PC事業からの撤退が本音にあるといわれている。なぜなら、いかに「強権」下にあろうと言えども、PC事業は法的にも道義的にも反する反社会的「バクチ」による<利益至上主義>の事業であり、しかも一部警察官僚の<私欲による不正>から起きた事業である。こうした反社会的<ヤクザ>以下の悪徳主義の事業は、いかに今強権下にあるとはいえ、いずれ他の圧力によって必ず破壊させられる宿命下にある。大体『パチンコ悪政』は原告同様多くの警察官はじめ政治、行政、マスコミまた一般世論において『絶対反対』が多数を占めている。もちろん三菱グループ全体においても反社会的違法なギャンブル事業は、「天下の名門三菱がまともに行なうべき事業では決してない」として、絶対反対の声が圧倒的に強い。だがPC事業撤退により一部警察官僚らの『メンツ』を潰すこと、またその撤退費用損は数千億円に達するというから『アリ地獄』の中の三菱商事の心の中は限りなく痛みを悩みを深めているという。

第九、 (結論)

(一) パチンコは警察当局の厳しい管理支配下にあるとはいえ、「金を儲けて勝負を争う」事実がある以上刑法違反の賭博行為そのものであることは決して間違いはない。従って、日本LECは、違法な「パチンコバクチ」を行う店で顧客らへプリペイドカードを専売する会社であるから、いわゆる「賭博法違反幇助企業」ということになる。いやむしろ、我が国の「パチンコバクチ」の過激化は、日本LECが専業とする「PC事業」の定着発展の一環として、警察当局の一部が<私欲>から起こしたものであるから、日本LECは表面上「パチンコバクチ」の共同正犯としての、「主犯格企業」といもいえる。また同「主犯格企業」は、その事業の欠陥から「犯罪者集団」らへ<巨億の資金>を垂れ流し、<巨億の損金>を被った。そしていまなおその垂れ流しは続いている。これは当局の一部官僚権力者らに乗せられた、「権力悪徳商法」参入への<天罰>であると思われる。

被告らはこの<天罰>たる日本LECの損失金に対し、その一部を穴埋め支援するとして、三菱商事の財産上の利益の一部、50億円を正当な理由もなく貸倒引当金に計上し会計上、当会社の利益に同額の損害を与えた。

この被告らの共同謀議行為は、商法違反のみならず、法治国家において到底、許されざる極めて悪質卑劣な反社会的行為といわざるを得ない。

ちなみに日本LECの事実上の母体である警察庁は、同損失金に対し、<ビタ一文>も穴埋め支援をしていない。

(二) 被告らに対し厳しい断罪を与えることは、すでに社会諸悪の根元となっている<パチンコバクチ化>元凶、即ち『PC事業』の衰退から撤退へと導き、その結果以下のような社会的成果も期待できる。

<1>一部警察官僚らの私欲による「パチンコ悪徳策略行政」が排除される。これは警察全体の名誉・信用・信頼等の回復に著しく貢献する。

また、前代未聞の民間PC事業への警察庁資本参加、および同OB警官派遣等が撤退されて真に中立公正かつ健全な「パチンコ行政」が確立される。

<2>史上最大最悪のパチンコギャンブル公害が減少する。これは過酷残酷残忍な事件事故の減少に連動するので、多くの国民が不幸のどん底から救済される。特に婦女子の多くが救済されることになる。

<3>真に中立公正な行政下で、パチンコ業界の真の健全化が図れることは、「犯罪者集団」らへの<巨億>のヤミ資金垂れ流しがストップすることにもなる。

<4>三菱商事の名誉・信用・信頼、および業績が著しく回復する。

<5>『警察当局、および三菱』の歴史的汚点が半減される。

よって、裁判当局は社会的命題としても、被告らに対し、特に<厳罰>を与える必要があるものと思われる。

以上

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